
世にカデンツアの名演あまたあれど、アリス・紗良・オットの弾くグリークのピアノ協奏曲のカデンツアほど、感涙を誘うものはない。魂を揺さぶる凄まじい演奏だ。
3年ぶりとなる小規模な来日公演を前に、日本人に向けたアリスのメッセージビデオを見た。どことなく寂しそうなアリスの表情であった。しかも日本語のスピーチは最初だけで、その方が楽なのだろう、すぐに英語に変わってしまった。以前のアリスにはなかったことだ。世界で活躍するアリスといえど、母の祖国日本での演奏には格別の思い入れがあるに違いない。それだけに、以前のような本格的な日本ツアーが許されないのはいかにも悔しかろう。しかし苦境はそれだけではない。アリスは大病を抱えている。
心情的にアリスの家族は私の家族に重なるし、アリスは私の娘に重なる。だから、私はいつもアリスのことを想っている。
万感の思いを込めたアリスのカデンツアを聴きながら、彼女の前途を祈らずにはいられなかった。
下村湖人の「青年の思索のために」という本が復刊された。いかにも校長先生の訓示といった内容であり、また昭和30年ごろの起稿ということで、さすがに今の時代ににそぐわない表現もある。
‥がしかし、しかしである。青臭い道徳をあざ笑うすれっからしのこの世にあって、ここには、一点を指し示す鋭い一条の光を確かに見る。あたかも、みさかいのない飽食の後に真水の美味しさをひしひしと感じるように。
読書は「青年」である必要は全くない。一度、手に取ってみて欲しい。是非。
かつて西欧列強および日本に好きなように蹂躙され最大の屈辱をのまされた中国が、試行錯誤の末たどり着いたのが、今の共産主義.・全体主義なのではないだろうか。あれだけの多くの民族と広大な国土を、信用できない隣国から死守するのに必要とされた体制なのではないだろうか。つまり言ってみれば、中国をああしたのは我々ではないかということ。(理不尽で悲惨極まりない歴史をもつユダヤ人が、世界有数の武装国家を持つに至った理由と同じである。)
ともあれ、中国人の欧米・日本に対する深く断ちがたい怨念を、私はいつも感じる。もうあなた方のいいなりにはなりませんよ、という頑なな信念も。
民主主義と専制主義という二つのものがある。私自身は民主主義の方が心地よさそうだから、こっちの方が好きである。(でも厳密には、他の体制のもとで暮らしたことがないから深い根拠はない。)
最近思うのは、民主主義も専制主義も人類始まって以来の長い歴史を持つ体制なのだから、お互いに尊重し合うべきなのでないか、ということ。尊重とまではいかなくても、批判や干渉はまずい。そこを間違うからいさかいが起きる。
家族団欒の食事中に急に隣人が上がりこんできて、「うどんの方がうまいのに、そばなんか食ってんじゃねえよ。」と言われらたら、けんかにならないほうがおかしい。
そういう意味で、今のアメリカ(および西側諸国)は、ちょっと独善的に過ぎよう。人には人の、国には国のやり方、価値観があるのだから。
少し話がそれるが、当のアメリカは、かつて奴隷制を採用していた。またイギリスには、有色人種を見せ物にする人間動物園があった。(着飾った白人女性がフェンス越しに、いたいけな黒人女児に対し、まさに「餌」をやっている写真がある。)
あそこに原爆を落とせば、死者のほとんどは子供を含む一般市民になることはちろん分かっていた。カナダ政府は、先住民の子供たちを親から引き離して強制的に寄宿舎に入れ、そこでは多くの小さな命が失われた。スペインは、領地拡大とキリスト教布教のためインカ帝国の民を虐殺した。
日本にしても、天皇を神の化身(現人神)と信じる一方、欧米人を鬼や畜生であるかのように罵っていた(鬼畜英米)。遺伝病を増やさないため、本人をだまして粛々と不妊手術を行っていたのも日本である。
もう一つ例をあげれば、アメリカもイギリスも日本も(他の多くの国も)、女性は政治に口をはさむべきではないとしていた。
いずれも最近のことである。なんとおぞましいと眉をひそめるかもしれない。こんな話は山ほどあるのだ。しかしここで強調したいのは、こうした行為や思想が当時、まごうことなき正義と信じられていたということ、何ら正義にもとるものはないと考えられていたということである。
であるならば、現在の我々の価値観が恒久的に正しいと言えるか。不朽の正義なんてものがあるのか。もし「人類は今や、究極にして普遍的な正義の概念を確立した。」なんて信じているとすれば、とんだ思い上がりだ。実際に、今は正義と思われているものだっていつまでもつかわかったものではない。なかでも長持ちしそうにないのが、私が思うに「人権」というやつだ。たとえば先の例でも示したように、人種、宗教、性別などの観点だけからしても、「人権」の意味するところは歴史上コロコロ変わってきた。だから当然、現在の「人権」も普遍的であるはずがない。その移ろいゆく価値観の流れの中で、いつどれを採用するかは地域や信条など諸条件によって差が出るのも自然なことだろう。
現実を見るがいい。北朝鮮にとっては、あの思想・体制が唯一の正義。ミャンマー然り。ロシア然り。中国然り。キリスト教徒もイスラム教徒も統一教会信徒も、自分の帰依する宗教の教理だけが最高の正義。白人至上主義者は、彼らなりに十全の正義感と人権意識を持った上で、白人の優位性を主張する。死刑制度をめぐる人権・正義の議論は、日本と西欧諸国(および国際人権団体)との間で一向に噛み合わない。
人権に限らず、自分の信じる正義は、「いま」「ここで」しか通用しないのである。そこがわかっていないと、国の間でいざこざが起こる。繰り返しになるが‥。
日本国帝国海軍が、世界最強の戦艦「大和」を造って85年。あれから日本も少しは大人になったかと思っていた。
日本は今また、防衛費を増やそうとしている。日本が防衛力を増せば、相手はそれを上回る攻撃力を持とうとするのは自明の理。だから有事(戦争) の際には、相手のみならず、日本の被る人的・物的被害も大きくなる。つまり戦争の規模が拡大する。やるならデッカクいこうというわけだ。
防衛費の増大は決して戦争の抑止にはつながらないと私は思う。貴重な財源・資源を消費しながら世界中で際限のない防衛費・軍事費増大の連鎖を招き、人々は見えない隣人に怯えるように銃を構え始める。我々は数千年間、同じことを繰り返すだけで、進歩していない。歴史に学ぶことをしない。「過ちは繰り返しませぬから。」なんて誰が言ったんだっけ。
軍備で国を守ることはできないことを悟るべきでだ。地球というかけがえのない惑星の上で、兄弟同士いつまでたっても互いにいがみあうことをやめられない。なんと情けなく愚かしいことか。このあたりが、闘争本能に勝てない人間の知性の限界なのだろう。
茨城県筑西市の野中医院です!***
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